学研まんがＮＥＷ世界の伝記1スティーブ・ジョブズ

学研まんがＮＥＷ世界の伝記1スティーブ・ジョブズの詳細

アップル社を立ち上げコンピューターを政府組織や大企業のものではなく、誰にでも扱えるものとした革命家。彼は養子で実の両親の顔を知らずに育った。義理の両親は彼に愛情を注ぎ、家庭は円満だった。しかし、彼は幼い頃から型に嵌らない子供だった。学校の授業はつまらないのでイタズラばかりしており、問題児のレッテルを貼られていたようだ。しかし、成績は良かったことは間違いない。要するに彼の知的好奇心を満足させられるものとなかなか巡り合えていなかっただけだった。そんな彼も高校・大学時代に生涯の仕事のパートナーとなるような人物と巡り合い、コンピューター開発の道へと進む。当時はまだコンピューターは政府とか大企業が使うものというイメージで家庭のものではなかった。「物づくり」に対するスティーブの嗅覚は鋭く、画期的な製品をいくつも開発していった。彼の拘りは変質的なところにまで及び、デザイン・色は言うに及ばず商品を包む箱までデザインに拘った。そんな強権的な性格と仕事に対する厳しさから彼と対立し会社を辞めていく人間も多かった。天才にありがちな人間的な好き嫌いも激しかった模様。遂には自分が立ち上げたアップル社からも追い出されてしまうのだが、不屈のバイタリティとアイデアを持つ彼は別会社を立ち上げて次のコンピューター開発で再起を図り、見事成功させるのであった。彼は若い頃に禅や仏教の世界に嵌り、西洋医学などの近代医学を忌避していたきらいがあった。そのことが晩年に身体に癌が見付かった際に治療を拒否して自然に身を任せるようになったことに繋がったようだ。享年は56歳で若過ぎる死だが、この強烈な個性は永く世には留まれない存在だったのかもしれない。この漫画ではコンピューターの用語や会社の成り立ちなどが目まぐるしく描かれており、他の伝記漫画に比して取っ付き辛い面があることは否定できない。けれど、21世紀の偉人として既に世界中に認知されているということなのだろう。