仁科芳雄―日本の原子科学の曙本ダウンロード無料pdf

仁科芳雄―日本の原子科学の曙

によって 玉木 英彦


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仁科芳雄―日本の原子科学の曙本ダウンロード無料pdf - 内容(「BOOK」データベースより) 20世紀物理学の革新に立ち会い、日本の科学に新時代をもたらした人、仁科芳雄。その全力疾走の生涯にとり組んだ仕事を、貴重な証言と写真で綴る「原子科学事始」。

仁科芳雄―日本の原子科学の曙の詳細

本のタイトル : 仁科芳雄―日本の原子科学の曙
作者 : 玉木 英彦
ISBN-10 : 4622039451
発売日 : 1992/2/1
カテゴリ : 本
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本書は仁科芳雄の友人・家族・弟子など関係者らによる証言集である。仁科の関係者一人一人が、仁科について人物伝から、やや専門的な研究内容まで、幅広く語る。物理学史上、仁科芳雄を位置付けるならば、有名なのはクライン仁科の公式ぐらいで、一般的にはやや印象が薄い気がするが、よくも悪くも、日本に「巨大科学」を持ち込んで、科学水準を向上させたことである。物理学では一般人には理論のほうが有名かもしれず、仁科のような土台を作った人物は地味かもしれないが、しかし重要である。以下気になったエピソード。仁科以前も寺田寅彦が放射線を応用した研究をやっても、当時は船で欧米とやり取りしていたからタッチの差で先取権を逃し意気消沈させられその分野をやらなくなってしまって悔しかったなどは非常に感銘深い話だ。欧州留学時には日本人には科学で一流の仕事ができないのではないか?と言われたが、ボーアの手法を導入した理化学研究所でうまくやり遂げる。しかしガイガーカウンター一つ満足に作れず、(まだ本格的戦争には突入していないはずだが)金も人も技術も資源も不足し、市民の啓蒙から予算獲得、技術開発まで全て自力で理研でやらざるをえなかった。サイクロトロンは放射能研究などにも用いられたようで開戦直前までアメリカの友人に頼んで完成にこぎつける。だが敗戦により米軍にサイクロトロンを破棄されてしまう話は物理学史をある程度学んだ者にはあまりに有名である。広島の原爆調査などもやったが、健康被害を受けてもマッカーサーに隠蔽されたという話も書いてある。そういえば朝鮮にはウランが大量にあるらしいが、だったらなぜ戦時中にそれで原爆開発ができなかったのかと考えたくもなる。しかし当時の日本の科学では朝鮮の鉱石からウランを分離するのは難しかった。戦後間もない頃は理研が一旦潰されたが、会社として再建し、抗生物質ペニシリンを量産してなんとか食って行く話はKindleでも当時の話が無料公開されている。ほかにも読む人の関心などによっていろいろ興味を引く話も多いだろう。量子力学から核開発まで、20世紀の科学技術や日本の物理学史などを考えるならばまさに必読だろう。

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