戦後日本の人事労務管理:終身雇用・年功制から自己責任とフレキシブル化へオンラインブックダウンロード

戦後日本の人事労務管理:終身雇用・年功制から自己責任とフレキシブル化へ

によって 黒田兼一


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戦後日本の人事労務管理:終身雇用・年功制から自己責任とフレキシブル化へオンラインブックダウンロード - 内容紹介 制度の変遷を捉え現代の課題に臨む 日本社会の発展と時代の志向に沿い変化し続ける人事労務管理の原理とは何か。 「人が足りなくなれば回してもらえば良いし不要になれば返せば良い」「成果の達成のみ課せば自己責任で 働くようになる」。現在進行する「働き方改革」の背景に、こうした危機的な認識、人事労務管理の放棄とも いえる状況がある。本書は、戦後から現在に至る人事労務管理の変化の過程をその実態から丁寧に再検証。 その時々の課題と「働かせ方」の原理の変遷を捉え直し、まさに改革の時の今、「ディーセント=“まとも"」な 人事労務管理を探る。 [目次] はしがき 序 章 人事労務管理とその変遷過程をどのように分析するのか 1 人事労務管理とは何か 2 日経連の二つの報告書:戦後日本の経済と社会(関係)の二つの画期 3 戦後日本の人事労務管理分析の時期区分について 4 人事労務管理の変遷とその分析 第1章 敗戦直後の企業経営と生産管理闘争──敗戦直後10年,「経営権」回復への道程 1 敗戦と企業経営 2 生産管理闘争と経営協議会 3 「経営権」体制に向けて 4 生産管理闘争と企業別組合 第2章 戦闘的労働運動の衰退と協調的労使関係の成立 1 敗戦直後の自動車産業と労使関係 2 「経営合理化」と労使関係の変化 3 日産百日争議 4 協調的労使関係の成立 第3章 協調的労使関係の定着と人事労務管理 1 1950年代中期から60年代初頭の自動車工業 2 プリンス自工の企業経営と労使関係 3 プリンス自工の悲劇 4 企業合併と「労・労対立」 5 第2次高度成長へ 第4章 「能力主義管理」と競争的職場秩序 1 日経連の「職務給」への渇望と苦悩 2 「能力主義管理」の成立と提唱 3 能力主義管理と労使関係:競争的職場秩序 第5章 低成長期の人事労務管理 1 能力主義管理の浸透と精錬化 2 「能力主義管理」と女性労働者:性差別の構造 3 「能力主義管理」の限界と自己責任へ 第6章 グローバリゼーション下の人事労務管理──人事労務のフレキシブル化と自己責任化 1 グローバリゼーションと情報通信技術(ITC)革新 2 フレキシビリティ 3 人的資源管理という考え方 4 「新時代の日本的経営」の人事労務管理 第7章 現代日本の人事労務管理の実相 1 雇用管理の現況 2 人事・賃金管理の現状(1):年功的処遇の一掃 3 人事・賃金管理の現状(2):「成果主義」と「役割給」をどうみるか 4 時間管理の現状:長時間労働と規制緩和 5 教育訓練の現状 終 章 ディーセント・ワーク実現への課題 1 戦後70年の人事労務管理の変遷 2 日本の労働者の感情特性と人事労務管理 3 ディーセント・ワーク 4 ディーセント・ワーク実現に向けた人事労務管理の課題 5 ディーセント・ワークの実現 初出一覧 あとがき 索 引 内容(「BOOK」データベースより) 「人が足りなくなれば回してもらえば良いし不要になれば返せば良い」「成果の達成のみ課せば自己責任で働くようになる」。現在進行する「働き方改革」の背景に、こうした危機的な認識、人事労務管理の放棄ともいえる状況がある。本書は、戦後から現在に至る人事労務管理の変化の過程をその実態から丁寧に再検証。その時々の課題と「働かせ方」の原理の変遷を捉え直し、まさに改革の時の今、「ディーセント=“まとも”」な人事労務管理を探る。 著者について 〈著者紹介〉*本情報は刊行時のものです 黒田兼一(くろだ・けんいち) 1948年 9月14日 北海道札幌市生まれ。 1972年 東京理科大学工学部経営工学科卒業。 1981年 明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。 桃山学院大学経営学部助教授、教授。 1996年 明治大学経営学部助教授を経て、 現 在 明治大学経営学部教授。 専門分野 経営学、人事労務管理論、労使関係論。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 黒田/兼一 1948年9月14日北海道札幌市生まれ。1972年東京理科大学工学部経営工学科卒業。1981年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。桃山学院大学経営学部助教授、教授。1996年明治大学経営学部助教授を経て、明治大学経営学部教授。専門分野:経営学、人事労務管理論、労使関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

戦後日本の人事労務管理:終身雇用・年功制から自己責任とフレキシブル化への詳細

本のタイトル : 戦後日本の人事労務管理:終身雇用・年功制から自己責任とフレキシブル化へ
作者 : 黒田兼一
ISBN-10 : 4623084647
発売日 : 2018/11/15
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 18.4 (現在のサーバー速度は19.58 Mbpsです
以下は 戦後日本の人事労務管理:終身雇用・年功制から自己責任とフレキシブル化へ の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
明治大学旧商学部の伝統であった経営研究の立場のひとつ,佐々木吉郎に発し,木元進一郎たちからさらに黒田兼一にも継承されてきたはずの「マルクス主義経営学」は,つぎのように変容したのではないかと指摘されている。これは,経営学者のT・Iの批評である(2019年3月)。1)本書は日本の人事労務管理が生み出した諸矛盾に強い関心を向けている点では、……諸問題を資本主義社会という体制構造的問題との関連において論ずることがほとんどなくなっている。2)協調的労使関係が抱える暗部に目をふさぐよう求めるかのような姿勢において、「専制的支配」と「民主的支配」を経営者視点そのままに転倒的に認識することでよいものかどうか、疑問とせざるを得ないところである。3)本書は、日本の人事労務管理の矛盾に満ちた性格を把握しつつも、資本主義社会の特殊歴史的性格への関心の希薄性と「管理の二重性」論への無理解のために、こうした関連性への自覚的認識による批判性において説明するに至っていないことが特徴的である。4)「先人たちが汗水流し、激しい労使対立から作りあげてきた『働き方・働かせ方』を崩してはならない。それをグローバル時代の今に再生する道を探らねばならない」という本書末尾の謎めいた警鐘は何を意味しているか。上に見た文脈からして、「崩してはならない」のは「フレキシビリティと自己責任」の管理ではあり得ず、前身の能力主義管理でもないことになるはずである。5)現行の協調的労使関係を「崩してはならない」と神聖視することは大きな矛盾であり、ライシュの指摘する日本の弱体な民主主義を強固なものに覆すのは「法律や政治ではない」とすることは狭きに過ぎるとともに、ディーセント・ワーク実現のためには現場労使の「真摯な労使交渉によるしか道はない」とすることは空虚に過ぎよう。実際に黒田兼一『戦後日本の人事労務管理』を読んだ感想は,以上のように指摘がなされた理由や事情を理解させるのに十分なものがあった。1989~1990年,一挙に崩壊しはじめた社会主義国家体制のその後を受けてなのか,日本のマル経経営学者たちも一気にその勢いを失った。盛者必衰だったのか?今回における黒田の著作がその径路の末端で生まれた成果だとしたらまことに侘しいかぎりである。今の時代にあってこそ,マル経の路線に基づく経営学者の活躍が期待されていいはずだと思いたい。だが,実態はほぼ全滅状態である。黒田のこの著作は,その弔鐘をみずからの手で打ち鳴らすために公刊したのかとまで思わせる。黒田は,かつて信念を抱いたマルキストたる任務を遂行する意味で学問研究に従事してきたものと観たい。だが,明大の定年を迎える頃までには,そこから離脱した境地のなかで「学究としての生涯」を区切ることになっていたのか。この本からは,そのような印象を強く受けるのである。

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