スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書)無料ダウンロードkindle

スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書)

によって 多木 浩二


3.8 5つ星のうち(8人の読者)

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スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書)の詳細

本のタイトル : スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書)
作者 : 多木 浩二
ISBN-10 : 4480056475
発売日 : 1995/10/1
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 26.82 (現在のサーバー速度は25.87 Mbpsです
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楽しい人間関係は、その人との絆を深めます。同じように、自分の身体を楽しく動かせば、動かすほど身体との絆は太くなるはずです。他人との絆はその他人の顔を中心に結び付きます。りんごの記憶は、そのりんごの見かけに結び付いて記憶されています。だから、人はりんごを見るとかじりたくなります。りんごを見ると食べた記憶が働くからです。他人がいつも同じ顔をしているから、その人の記憶はその顔に自然に結びつくのです。同じ事が自分の身体との絆についても言えます。自分の記憶は自分の顔に結び付きません。なぜなら、自分ではふだん自分の顔を見ないからです。その代わり、直立活動をする人間は、直立姿勢を維持するために、腹筋と背筋を常に働かせ、そこに安定した身体感覚を持ち続けています。ですから、この身体感覚に自分の記憶は結びつきを形成しています。目の見えない人にとって、夫の記憶の絆は、夫の顔ではなく、夫の声でしょう。また、目の見えない人にとって、りんごの記憶の絆は、りんごの見かけではなく、りんごの感触であるはずです。りんごを触って、はじめてりんごだとわかるのです。このように、あらゆる感覚が記憶の絆になります。自分の身体感覚も、記憶の絆に当然なるはずです。もし他人の顔が毎日変われば、その顔は、その人の記憶の絆にはならない。他人がいつも同じ顔をしているから、その人の様々な記憶がその顔に結び付くことができる。楽しい人間関係がその人との絆を育てるように、楽しく姿勢良く運動を楽しむことで、身体感覚と自分の記憶との絆を育てることができます。イギリスの郊外には、緩やかな起伏のある大地が広がっています。生垣に囲まれた肥沃な放牧地や農耕地や林です。緩やかな起伏のある大地を歩けば、歩くに従って、広い展望が変化しておもしろい。だだっ広い平地を歩くと景色はほとんど変化しないし、大地を見下ろしたり、見上げたりすることがないから展望に欠けている。このため、たいくつで歩くのが苦痛になる。イギリスの田舎は、レンタカーで走るとおもしろい。できるだけ田舎道を選んで走るべきだ。大地の起伏と生垣沿いの道をくねくねと上下左右に走る。走るにつれて緑豊かな広大な展望が変化し、しばしば羊の群れが見え、たまに牛が生垣の入り口から顔を見せる。そんな起伏のある田舎を歩いている人を見るといきいきしてます。これに対して、イギリスの東部にはただっ広い平地があります。車で走って、他の場所と違い単調だと思っていると、ウォーキングをしている人もやはり疲れたたいくつ感じです。アウトドア好きにさせるイギリスの生活環境が、身体感覚と記憶との太い絆を育てます。自立的で知的で、穏やかなジェントルマンに代表される性格を育てるものは、展望が豊かなイギリスの田舎なのです。イギリスには楽しく身体を動かせる環境があります。そしてそれが、イギリスの知性を支え、文化を支えてきた。楽しく身体を動かすのが、スポーツであって、そうでなければスポーツじゃない。こういう意味のスポーツが、イギリスや西欧の知性や文化を育んできた。この本は、こういう視点を欠いているように思う。

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